野球肘

 野球肘 

子供のスポーツ障害などで
一番多い症状です。

繰り返し行われる「投げる動作」
「ラケットなどを振る」運動で
肘の靭帯や関節に変位が起こり
炎症などによって痛みが
強くなります。

主な原因として、過剰な投球数などの
肘の酷使による疲労が考えられる。

野球における投球動作は、前腕と手部を
後方に残しつつ、肩関節及び肘関節が先行し

肩甲下筋、大胸筋、広背筋、大円筋を
収縮させながら、肩関節は90度外転位
で回旋運動を行う

棘下筋及び小円筋は上腕骨頭を固定し
肩甲骨は胸郭に固定された状態となる。

このような投球動作において肘関節は
極度に外反を強制され、同時に前腕屈筋群は
強く収縮する。

そのため上腕小頭と橈骨近位頭では
圧縮ストレス、上腕骨内側上顆では
伸縮ストレスが負荷となり

これが反復されるため特に筋腱起始部には
微小断裂を生じる。

修復過程での修復機転が継続投球
によって阻害されることにより
極度の痛みや機能障害を発生させる。

特に、カーブなどの腕を捻りながら
投げる変化球は肘への負担が大きく
野球肘になりやすい。

成人期であれば通常は骨変化は
見られないが、特に発育期では
内側上顆核の変形・肥大・分離
・骨端線の拡大などを生じることが多い

投球フォームに無理がある事も考えられる。

フォームの欠点は人それぞれであるが
多くの場合、投球のリリースの際に

上体が開いている
(正面を向いてしまっている)事により

肘が体から遠くを通り、肘にかかる負担
を大きくしていることによる。

野球肘による損傷は3段階に分けられる。

  • 軽度(1度、mild)
    – 痛みの発生から約2週間で腫脹や圧痛も
    軽微であり、前腕屈筋の抵抗下の
    自動的収縮(手関節の掌屈の動作)

  • の際に疼痛の増強がみられるが
    X線検査では変化が見られないもの
    をいう。
  • 中度(2度、moderate)
    – 腫脹や圧痛が顕著であり、他動的伸展
    (手関節の背屈の動作)や前腕屈筋の

  • 抵抗下の自動的収縮の際に疼痛の増強
    がみられ、X線検査でも変化が認められる
    ものをいう。

  • 重度(3度、severe)
    – 患部が腫大しており、顕著な圧痛と
    運動制限を訴えており、他動的伸展や
    前腕屈筋の抵抗下の自動的収縮が困難
    または
    不能なほどに疼痛があるものをいう

  • 重度になるとX線検査の際に骨端軟骨層の
    拡大や関節遊離体(関節鼠)の存在など
    顕著な変化が認められる。

 

 

子供の関節は発育途上のため
限度を超える使い方をすると
関節を覆う
軟部組織がはがれてしまい
運動制限が起こります。
両親、スポーツ指導者が常に肘の状態を
確認して
決して無理をさせる事のないよう
スポーツを楽しむように
しましょう
もし故障してしまった場合は、
将来に渡って痛みや動きに制限が
起こります。 
きちんとしたリハビリや安静をすれば
また競技に復活させる
事は可能です。
目先の成果に囚われず、治療に専念させましょう。

 

 

【対処法】

 

・投球制限 (限界値を超えない)
・手術 (重度の場合)
・安静 (スポーツから離れる)
・アイシング (炎症を抑える)
・ストレッチ
  (軟部組織の緊張を緩和)
・関節メンテナンス
  (子供整体がオススメ)

 

 

子供の関節痛は手首や肘など
弱い部分で起こりやすいです